精装難兄難弟
Those were the Days

監督:曹建南
出演:陳百祥、羅嘉良、呉鎭宇、舒淇、黄子華、張可頤


 香港映画ファン、特に60年代の粤語作品を好み、王家衛のヨーロッパ気取りの芸術(風)映画を憎む人々にとっては最高に楽しい作品。

 王家衛そっくりの売れっ子監督王晶衛(黄子華)が第16回金牛奨の記者会見で広東語映画をバカにする。招待されていた曹達華を思わせる牛達華(陳百祥)と謝賢のような謝言(呉鎭宇)は怒り心頭、が、同じ頃、呂奇のことだろう李奇(羅嘉良)は心臓病で道端でのた打ち回っていた。その夜ガールフレンドとテレビを見ていた王はまたも粤語映画を馬鹿にしていた。すると、なんと突然現れた映画の神様にテレビの中にひきずりこまれ1967年に連れ去られてしまう。そして、神様は「ひとりでもお前の映画を好きだという観客がいたら97年に返してやろう」と言い残して消えてしまう。

 たちまち王晶衛は粤語映画のスタジオをハチャメチャにするが、陳寶珠ならぬ文寶珠(張可頤)や蕭芳芳ならぬ○芳芳(舒淇)を交えて楽しい日々を送る。男たちにキャラクターを与えてスターに仕立て上げていくのだ。そして、監督に昇進するや「阿飛正傳」(みたいなの)「黄飛鴻之春光乍洩」「東蛇西鹿」を監督、しかしまったくうけない。女優たちは彼の才能に惚れこみ結婚を迫るが90年代に帰りたい王は悩み、自殺しようと波止場へ来ると、通りかかった太ったガキ(若き日の王晶)が言う。「君の映画大好きだよ。僕も大きくなったらあんな映画を撮る監督になりたい」王は「だめだ、もっと判りやすくて面白い映画を作りなさい。そうすれば絶対成功するから」と伝え、30年後の世界へ戻っていく。

 そして、97年の香港映画界。60年代のスターが主演だったら、というわけで「ポリスストーリー」や「古惑仔」がスクリーンに……。

 王家衛をばかにしているようで、ちゃんといいヤツとして終わっているところがとても好感が持てるパロディ巨編。ひとりの人間の才能も、時代によっては生かされたり殺されたりするんだろうな、という深い洞察も加えられている。それにしても、舒淇がかわいいねー。


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